こんにちは!
手績み大麻糸専門クリエイター
麻糸産み講座公認インストラクター
Kyokoです。
2日目の講座終了後、弘前市内にある
「ゆめみるこぎん館」を見学しました。
受講生の石田さんが館長をされており、
お話を色々と伺ったり、こぎん刺しの着物や
最近の作品などを実際に見て触れることができました。
ゆめみるこぎん館には、石田さんの御祖母様が収集された
明治期頃の古作こぎん30数点が展示収蔵されています。
私が刺し子に興味を持ったのは、
国産大麻で糸績みを始めた頃です。
田中忠三郎さんの書籍やコレクションを通して
東北地方の野良着に出会いました。
厳しい寒さゆえ、保温、補強等のために麻布などに刺し綴った、
庶民の衣服です。
刺し子といっても地方独自の文化があり、
日本三代刺し子と呼ばれているのは…
・津軽こぎん刺し(青森)
・南部菱刺し(青森)
・庄内刺し子(山形)
昨年、岩手県一関市で開催した時に受講された
青森県指定の伝統工芸士・山田友子さんは、
南部菱刺しの制作と普及活動をされています。
その時に、「南部菱刺し」と「津軽こぎん刺し」では、
経糸に対して数える目が、奇数か偶数かの違いがあることを知りました。
さらに今回、「こぎん刺し」の中でも、
・西こぎん(縞こぎん)
・三縞こぎん
・東こぎん
と地域により、縞の有無や、どの位置に縞があるのかなど
特徴があることを知りました。
このような地域性は、とても興味深く
私の大好きな分野なので、1日中滞在したいくらい
楽しい時間でした。
講座の休憩時間、こぎん刺しをされている方に、
「どのような麻布が求められていますか?(特に織り密度)」と
お聞きしてみました。
使用目的によって変わってくるということでした。
ノリがついている方が、刺しやすいともおっしゃっていました。
また、今は紡績糸の機械織りの布に刺すことが主流なので、
模様もくっきりして美しいけれども、
昔は手績み手織りの麻布などに刺していたので、
手仕事ならではの微妙なニュアンス、ゆらぎがある、
ということでした。
実際に昔の着物(こぎん刺し)を観察すると、
なるほど!と、その味わい深さを実感できました。
現在は、紡績糸機械織りも奥深く、受講生さんの中には
刺し子用の布の確保や新たな挑戦をされている方も
いらっしゃいました。
(*「そらとぶこぎん 第6号」をぜひご覧ください!)
さらに、昔の着物で刺してある土台の布が、麻だと分かっても、
大麻と苧麻の見分けがつかない、というお話も伺いました。
個人的な見解としては、寒さが厳しい地域なので、
野良着としての用途では、主に大麻だったと想像します。
(苧麻の方が涼しいという特徴があるので)
色々とお話を伺っていると、
新たな疑問や興味が湧いてきたので、
昔の書籍や文献を、もう一度読んでみようと思っています。
2日目の夜は、受講生さんと共に、
地元の美味しい日本酒とお料理をいただきながら、
楽しい時間を過ごすことができました。
*「豊盃」という日本酒は、とても飲みやすく美味しかったです!