こんにちは!
手績み大麻糸専門クリエイター
麻糸産み講座公認インストラクター
Kyokoです。
2日目の講座終了後、弘前市内にある
「ゆめみるこぎん館」を見学しました。
受講生の石田さんが館長をされており、
お話を色々と伺ったり、こぎん刺しの着物や
最近の作品などを実際に見て触れることができました。
ゆめみるこぎん館には、石田さんの御祖母様が収集された
明治期頃の古作こぎん30数点が展示収蔵されています。
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私が刺し子に興味を持ったのは、
国産大麻で糸績みを始めた頃です。
田中忠三郎さんの書籍やコレクションを通して
東北地方の野良着に出会いました。
厳しい寒さゆえ、保温、補強等のために麻布などに刺し綴った、
庶民の衣服です。
刺し子といっても地方独自の文化があり、
日本三代刺し子と呼ばれているのは…
・津軽こぎん刺し(青森)
・南部菱刺し(青森)
・庄内刺し子(山形)
昨年、岩手県一関市で開催した時に受講された
青森県指定の伝統工芸士・山田友子さんは、
南部菱刺しの制作と普及活動をされています。
その時に、「南部菱刺し」と「津軽こぎん刺し」では、
経糸に対して数える目が、奇数か偶数かの違いがあることを知りました。
さらに今回、「こぎん刺し」の中でも、
・西こぎん(縞こぎん)
・三縞こぎん
・東こぎん
と地域により、縞の有無や、どの位置に縞があるのかなど
特徴があることを知りました。
![](https://asaito-village.com/wp-content/uploads/2023/03/blog-347.jpg)
![](https://asaito-village.com/wp-content/uploads/2023/03/blog-348.jpg)
このような地域性は、とても興味深く
私の大好きな分野なので、1日中滞在したいくらい
楽しい時間でした。
講座の休憩時間、こぎん刺しをされている方に、
「どのような麻布が求められていますか?(特に織り密度)」と
お聞きしてみました。
使用目的によって変わってくるということでした。
ノリがついている方が、刺しやすいともおっしゃっていました。
また、今は紡績糸の機械織りの布に刺すことが主流なので、
模様もくっきりして美しいけれども、
昔は手績み手織りの麻布などに刺していたので、
手仕事ならではの微妙なニュアンス、ゆらぎがある、
ということでした。
実際に昔の着物(こぎん刺し)を観察すると、
なるほど!と、その味わい深さを実感できました。
現在は、紡績糸機械織りも奥深く、受講生さんの中には
刺し子用の布の確保や新たな挑戦をされている方も
いらっしゃいました。
(*「そらとぶこぎん 第6号」をぜひご覧ください!)
さらに、昔の着物で刺してある土台の布が、麻だと分かっても、
大麻と苧麻の見分けがつかない、というお話も伺いました。
個人的な見解としては、寒さが厳しい地域なので、
野良着としての用途では、主に大麻だったと想像します。
(苧麻の方が涼しいという特徴があるので)
色々とお話を伺っていると、
新たな疑問や興味が湧いてきたので、
昔の書籍や文献を、もう一度読んでみようと思っています。
2日目の夜は、受講生さんと共に、
地元の美味しい日本酒とお料理をいただきながら、
楽しい時間を過ごすことができました。
*「豊盃」という日本酒は、とても飲みやすく美味しかったです!